檀家制度と会員制度の違い

福厳寺では、40年前に檀家制度を廃止し、会員制度を設けております。檀家制度と会員制度の大きな違いは、皆さまへの負担の違いです。 檀家制度とはもともと、江戸時代にキリシタン弾圧と人民管理(当時はお寺が役所の代わりだった)を目的として作った制度でした。 地域のお寺が戸籍を管理して先祖供養を行う代わりに、檀家はお寺の修繕や管理の費用を負担するという仕組みが檀家制度として強制されていましたが、今でもその名残を受け、多くのお寺が檀家制度をとっています。 しかし、檀家制度は、統治を目的に法律で義務付けられた制度であったため、そこに信仰の意識がない檀家も多く、寺檀関係が希薄になってしまいがちです。 そこで、福厳寺は本当に信仰を求める人のために門を開き、「家系」に縛られない会員制度を導入しました。

信仰は自由である

檀家制度が”家”単位の信仰であるなら、会員制度は個人の信仰と言えます。 檀家制度の名残から、自分の家系と同じ宗派で葬儀や供養をしないといけないと思っている方も多いと思います。しかし、本来宗教は自由に選ぶべきものですし、自分の家の宗派を律儀に守っていても、その宗派の教えを知ってなければ拘る意味がありません。 仏教は「どうしたらよりよく生きられるのか」ということを、ゴータマ・シッダルタという実在した人物が説いた実践的な教えです。その教えを知らずに、ただ何となく檀家だからという理由でお寺と関わるのは勿体ない事ですし、逆に信仰がないのであれば供養や葬儀などする必要はないとも言えます。 現代社会では、葬儀や供養の儀式が形骸化してしまいました。これでは「葬式仏教」と言われても仕方がありません。 私たち福厳寺の会員制度は、仏教持つ力とお寺の存在意義をもう一度問うものであり、会員となる人がきちんと仏教の教えについて理解を深めていくために必要な環境を整えることが大切だと考えています。

高額な寄付を強制しない、寄付に頼らない運営

従来の檀家制度では強制寄付や労働、高額な離檀金を請求される場合が多くありますが、福厳寺では自由寄付はお願いしても一切の強制寄付はありません。 にも関わらず、会員制度に改めてからは多くの伽藍が修築されており、そのことを不思議に思う方も多いですが、このことは主に2つの要因があります。

①会員数が増加する仕組み作り

全国的にも檀家数が増加しているお寺はほとんどなく、お寺の数自体もあと30年で1/3になると言われています。そんな中で、福厳寺は檀家制度を廃止してから約3倍に会員数を増加させています。 会員数が増えるほど皆様の葬儀のお布施や会員費の負担が少なくて済みますし、負担が少ないお寺だから会員にもなりやすい、そういった好循環を確立させる仕組み作りを行なっています。 特に、近年では動画投稿サイトYoutubeにおいて、福厳寺31代目住職大愚元勝が皆様のお悩みにお答えする「一問一答」を配信しており、登録者も7万人を超え、多くの人の心の拠り所となっています。信仰が地域を超え、檀家制度に縛られない自由なお寺選びという理想が一歩ずつ近づいていると感じています。

②関連事業の活性化

さらに福厳寺の急速な発展の背景には、先代の武三和尚の「奉仕の覚悟」があったことを忘れてはなりません。武三和尚は、自らの生活と子弟の育成を幼稚園を創立することによって成り立たせ、その40年の住職任務はお寺から給料をもらわないことを貫きました。 今では幼稚園以外にも、トレーニングジムや整体院、出版社などの経営に携わっています。関連事業を活性化させることで、寺院の環境を整えることをより加速することができるのです。

学びと仏縁のお寺として

学び舎としての寺院環境が整うことによって、智慧と慈悲の教えと言われる仏教が浸透し、素直、謙虚、智慧と勇気、希望と自信に満ちた人々が育まれることによって、すばらしい結縁がこの地に広がっていく、そんな可能性を開くのが福厳寺の目指す会員制度です。少しずつですが、着実にその歩みを進めて参ります。